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JISF−19**** 船用機器の安全標識(素案)について

1. 規格作成の方針…基本的な考え方

我が国の安全標識に関する規格としては、基本規格としてJIS Z 9101「安全色及び安全標識」がある。しかしながら、一般の工業製品に対する製品別の規格はなく、通産省の指針「消費生活用製品の警告表示のあり方について」や、業界別に作成された「船用ディーゼル機関の警告表示に関する指針」(JMS 0070 など)によっているのが実態である。
一方、国際規格としては、基本規格の ISO 3864 “Safety colours and safety signs”があり、製品別規格として、ISO 9244“Earth−moving machinery−Safety signs and hazard pictorials−General principles”やISO 11684−Tractors, machinery for agriculture and forestry, Powered lawn and garden equipment−Safety signs and hazard Pictorials−General Principies”などがある。但しこれらの製品別規格は、IS0 3864と完全には整合化はなされていない。
また、米国の国家規格 ANSI Z 535.4は、従来から一般的に使用されてきた。これらの事情を考慮して、この規格は次の方針に基づいて作成する。
(1)規格作成にあたっては、安全標識に求められる最大の要件である“目に付き易く”“容易に理解できる”標識を作るための指針とすることを主眼とする。
従って、この目的のためには、JIS Z 9101あるいは ISO 3864の様式との完全整合化にはこだわらず、他の様式も考慮することとする。
(2)ISO3864は基本規格ではあるが、そのまま実際に製品に適用した場合、必ずしも見た人が“容易に理解できる”とはいえない。事実、製品別規格のIS0 9244は、ANSI Z535.4を取り入れてIS0 3864とはかなり異なっており、またJIS Z 9101は、lS03864に対して、従来、我が国で使用されてきた標識の要素が付加されたものになっている。
本規格(素案)もこの考え方によることとし、JIS Z 9101(≒3864)をべースとして、ANSI Z 535.4、業種別規格ISO 9244及びJMS 0070などを参照して作成する。

 

2. 警告記号(Safety alert symbols)と安全色(Safety colours)について既存のJIS及びISO規格では、次のように規定されている。(詳細−別紙−1)

(1)IS0 3864…記号は△、△内の色は“黄”。危険のレベルによる区分(危険、警告、注意)がないので、危険を的確に表現し、注意を喚起する意味からは、表現不足になると思われる。
(2)IS0 9244…記号は△、△内の色は“黄”。IS0 3864に準じているが、上記の不備を補完するため、危険、警告、注意の区分をシグナル区画の色(赤、黄赤、黄…ANSI Z 535.4に準ずる。)で識別し、分かり易くしている。ただ、シグナル区画がない場合は、△内は“黄”のままで、標識の外縁の色で識別しており、分かりづらい。

 

 

 

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